
良いクチコミ1件の本当の価値
クチコミは見栄えのいい数字ではありません。Google マップでの表示順を動かし、同じ画面のどれが押されるかを決め、お客様の言葉を検索に流し込みます。その連鎖を一つずつ追いました。
読むページに出ているあの数字は、すべてのクチコミの単純平均を小数第1位に四捨五入したものです。本当の平均が 4.5487 でも 4.5499 でも、ページの表示はどちらも 4.5 です。
これが「星5がついたのに何も起きない」の正体です。点数は動いています。ただ、第1位を変えるところまでは動いていないだけです。
具体例を挙げます。クチコミ 80 件・4.62 のお店に、星5がもう 1 件つきます。
店主から見れば「無駄骨」です。実際には 4.62 が 4.6247 まで上がり、4.65 のラインに一歩近づいています。その一歩は本物ですが、画面には出ません。
今どこにいるのかを正確に知るには、星の分布カルキュレーターをお使いください。星ごとの件数を入れると、本当の平均と Google が表示している数字の両方が出ます。その差が、目に見えていない進み具合です。
同じ星5でも、すでに何件あるかで効き方がまるで違います。
どちらも動きません。ところが星5を 10 件入れると差が出ます。
これは算数であって、Google の好みではありません。すでにある件数が分母であり、分母が大きいほど 1 件あたりの影響は小さくなります。
そしてこれは両方向に効きます。上げにくいということは、落ちにくいということでもあります。200 件・4.8 のお店に星1が 1 件つくと 4.78 になりますが、ページはまだ 4.8 のままです。20 件・4.8 のお店に同じ星1がつくと 4.62 になり、表示は 4.8 からいきなり 4.6 に落ちます。
つまりクチコミの件数は防護層であり、あとから買えるものではありません。事前に、お客様一人ずつ積むしかないのです。何も起きていないときでもクチコミを集め続ける本当の理由がこれで、数字は良いクチコミ1件の本当の価値で出しています。
低評価が自店に具体的に何をするかを見るには、低評価の影響カルキュレーターをお使いください。そのあとの本当の平均、表示が変わるかどうか、あと何件で一段下がるかが出ます。
「一段下がる」とは、表示されている小数第1位が一つ下がることです。4.6 が 4.5 になる、ということ。四捨五入ですから、実際の境界は x.x5 の線上にあります。
やっかいなのは、その線までどれだけ近いかがページからは分からない点です。
2 店とも 100 件、2 店ともページ表示は 4.6:
ここでそれぞれに星4が 1 件つきます(低評価ではなく、星4です):
ページの上では、この 2 店はまったく同じに見えていました。B 店の店主はある朝いきなり評価が下がっているのを見て、理由が分かりません。昨日ついたのは星4であって、苦情ではないのですから。
ですから「今 4.6 だから大丈夫」には意味がありません。問うべきは「4.55 まであと何件か」です。星の分布カルキュレーターが出すのは、まさにそれです。
4.9 で 6 件のお店と、4.7 で 120 件のお店なら、ほとんどの方は後者を選びます。理由は難しくありません。
Google 側も似た読み方をします。件数は、その店が実際に営業しているかを判断する材料の一つです。詳しくはGoogle マップで順位を上げる手順に書いています。
ですから目標を立てるときは、点数だけを見ないでください。目標達成カルキュレーターは「半年で 4.5」を「月に何件」に翻訳してくれます。日々の段取りに組み込めるのは、そちらの数字だけです。
店主の方は競合の点数ばかり見て「向こうは 4.8、うちは 4.6、差は 0.2」と考えがちです。この差は当てになりません。
お客様がどちらを押すかを決めるのは、点数と件数の両方です。
しかも点数を追いつくことと件数を追いつくことは、難しさがまったく違います。競合との差カルキュレーターは、その二つを分けて計算します。相手の点数を抜くのに星5が何件必要か、件数ではどれだけ離されているか。
複数店舗をお持ちの場合や、自店と近隣を一度に見たい場合は、他店・競合との比較で複数店の評価・件数・プロフィール完成度を横並びで取得できます。一軒ずつ開く必要はありません。
ただし、どのツールにも計算できないことが一つあります。自店が何位に出るか、です。ローカル検索の順位は、検索のたびに、使われた語とその人のいる場所から Google が都度計算します。同じ店でも検索語と場所が違えば順位も違います。評価と件数から順位を逆算するのは、作り話です。
この節の結論は直感に反します。いま評価が見苦しいなら、最初にやるべきは点数を上げることではなく、件数を作ることです。
やはり分母の話です。3.9・25 件のお店が 4.5 を目指すとします。
危ないのはまさにこの区間で、店主が待ちきれずに近道を探し始めます。買う、満足していそうなお客様だけに声をかける、高評価に割引をつける。この三つはそれぞれ満足したお客様だけに頼んではいけない理由とクチコミと引き換えに割引や景品を渡してよいかで扱っている違反行為で、二か月待つよりはるかに高くつきます。
正しいやり方は、週単位で回すことです。毎週何件必要かを計算し、そのうえで一人ひとりに声をかける。クチコミ件数の目安計算が、業種ごとの 30 日・90 日の目安と、まとめて出さないための週あたりの依頼数を出します。
この算数が腑に落ちれば、あとは一行です。点数は結果、件数は過程。日々の仕事に組み込めるのは過程のほうだけです。